シリーズ:基礎シリーズ(電気回路)
この記事の役割:実験シリーズで外部機器(外付けLED、USB-UART、センサ、サーボ等)をつなぐ前に、GNDでつまずかないようにする。
※評価ボード“単体”のLED点滅はGNDを意識しなくても動くことが多いですが、外部とつなぐと急に重要になります。
はじめに
初心者の実験で多いトラブルのひとつが、信号線はつないだのに動かないという現象です。
原因の多くは「GNDをつないでいない(共通にしていない)」ことです。
この記事では、GNDをむずかしい用語で覚えるのではなく、
- GNDは何のためにあるのか
- なぜ「共通」にする必要があるのか
- つないでいないとどうなるのか
を、実験に直結する形で整理します。
先に結論(※ここは読み飛ばしてOK)
- GNDは「0Vとみなす基準点」です
- 同時に、電気が戻るための「戻り道(帰り道)」でもあります
- 外部機器とつなぐときは、基本として GND同士をつないで共通にする必要があります
- 動かないときは、まず GNDがつながっているかを疑うと早いです
1. GNDは「0Vとみなす基準点」
前の記事で、電圧は「2点間の差」だと説明しました。
ただ、回路の中で毎回「どことどこの差が何Vです」と言うのは大変です。
そこで、回路の中に 基準になる点を1つ決めて、そこを 0V(基準) として考えることが多いです。
この「基準の点」を GND(グランド) と呼びます。
例えば、
- 乾電池なら「−側」を0Vとして考えることが多い
- マイコンボードなら「GNDピン」が0Vの基準
というイメージです。
GNDが決まると、「ここは3.3V」「ここは5V」などの話ができるようになります。
2. GNDは「電気の戻り道(帰り道)」
電流は「行って帰ってくる(行き(+側)と帰り(−側))」ことで初めて流れます。
GNDは、ふだん マイナス側(−側) として使われることが多く、電気が戻ってくるための「帰り道」になります。
2つの機器をつなぐときも同じで、片方だけつないでも回路が1周できず、うまく動かないことがあります。
だから、機器同士をつなぐときは GND同士もつないで“帰り道”を作るのが基本です。
3. 「共通GND」が必要になるのはどんなとき?
評価ボード単体で動かしている間は、GNDをあまり意識しなくても問題が出にくいです。
しかし、評価ボードと外部の機器をつなぐと、GNDを共通にしないと動かない/不安定になることがよくあります。
ここでは「どんなときに必要になるか」を、初心者向けにイメージで説明します。
※細かい端子名(TX/RX、SDA/SCLなど)は、実験シリーズで登場したタイミングで説明します。
例1:評価ボードとPCをケーブルでつないで通信するとき
PCと評価ボードの間で情報をやりとりしたい場合、
情報用の線だけでなく、GNDもつないで基準(戻り道)を共有する必要があります。
GNDがつながっていないと「何も反応しない」ことがあります。
例2:評価ボードにセンサをつないで値を読むとき
温度センサなどをつなぐときも、センサと評価ボードでGNDを共通にします。
GNDが共通でないと「値が変/ふらつく/認識しない」原因になります。
例3:サーボやモータを別電源で動かすとき(重要)
サーボやモータは電流が大きいので、電源を別にすることがあります。
ただし、評価ボードから制御する線をつなぐなら、
別電源のGNDと評価ボードのGNDを共通にする必要があります。
これがないと、うまく動かない/不安定になる原因になります。
4. 共通GNDにしないと、どうなる?
よくある症状は次の通りです。
- PCとつないでも反応しない
- センサの値がおかしい/ふらつく/たまにしか読めない
- 外付けLEDが点かない
- たまに動くが安定しない(再現しない)
- ノイズが絡むとリセットや誤動作が起きることもある
「配線は合っているはずなのに動かない」とき、
原因がGNDのつなぎ忘れということがよくあります。
5. 初心者あるあるミス
- データをやり取りする線だけつないで、GNDをつなぎ忘れる
(例:PCやセンサにつないだのに、なぜか反応しない) - GNDだと思って、別の場所につないでしまう
(例:ブレッドボードで1つ隣の穴に刺していた/GND列を取り違えた) - 別電源を使っているのに、電源どうしのGNDを共通にしていない
(例:モータやサーボの電源を別にしたが、GNDをつないでいない) - 電源を入れたまま配線を差し替える
一瞬でも変なつながりになり、動かない/不安定になる原因になります。
6. 実験前チェックリスト(これだけでOK)
外部の機器(PC、センサ、モータ/サーボなど)とつなぐ場合は、次の順で確認すると安全で確実です。
- まずGNDをつなぐ(共通にする)
※これがないと「動かない/不安定」の原因になります - 次に電源(+側)をつなぐ
※外部機器に必要な電圧が合っているかも確認する(3.3V/5Vなど) - 最後に「情報をやりとりする線(制御の線)」をつなぐ
※この線の名前(通信線、制御線など)は実験シリーズで登場したときに説明します - 動かないときは、まず GNDが本当に共通になっているかを確認する
(ブレッドボードの刺し間違いが多い) - 異常(熱い・匂い・不安定)があれば、いったん電源を外す
原因探しは電源を外してから落ち着いて行う
まとめ
- GNDは「0Vの基準点」であり「電気の戻り道」でもある
- 外部機器とつなぐときは GNDを共通にするのが基本
- 動かないときは、まずGNDの接続をチェックすると早い
次に読む(おすすめ順)
- 実験シリーズ:評価ボードのLED点滅(GPIO)
- 基礎:ブレッドボードの内部構造(刺し間違い対策)
- 基礎:テスターの導通確認(GNDがつながっているか確認する)