電気回路

ブレッドボードの内部構造と「LEDがつかない」原因(よくある罠まとめ)

シリーズ:基礎シリーズ(電気回路)
この記事の役割:ブレッドボードの「つながる場所/つながらない場所」だけ押さえて、配線ミスを自力で直せるようにします。

はじめに

ブレッドボードでLEDを配線したのに、なぜかLEDがつかない。
この原因の多くは、部品やコードではなく 「配線を挿した穴どうしが電気的につながっていない」 ことです。
そもそもブレッドボードとは、電子工作でよく使う「ハンダ付けなしで回路を試せる板」です。
部品の足や配線(ジャンパ線)を穴に挿すだけで、回路を組んだり直したりできます。

ただし、ブレッドボードにある穴は全部がつながっているわけではなく、内部でつながる穴が決まっているため、挿す場所を間違えると回路が成立しません。

この記事では、ブレッドボードの内部構造(つながり方)を最小限だけ説明して、LEDなどがつかないときに自分で原因を切り分けできるようにします。

先に結論(※ここは読み飛ばしてOK)

  • ブレッドボードは 「穴が全部つながっている板」ではない
  • つながる穴/つながらない穴 が決まっている
  • 「LEDなどがつかない」の原因の多くは 挿す場所の間違い(配線ミス)

1. ブレッドボードは“中で金具がつながっている板”

ブレッドボードは、回路の仮組みに使う道具です。
部品の足や配線(ジャンパ線)を挿して、回路を素早く作って試すことができます。
失敗してもすぐ挿し直すことができるのが利点です。

注意:ブレッドボードは、穴をただ並べた板ではなく、内部の金具(導体)で“つながる穴”が決まっています。
そのため、つながり方を知らないと、つないだつもりがつながっていない別の場所までつながってしまうことがあり、LEDがつかない原因になります。

ブレッドボード表裏

左側がブレッドボードで、右側がブレッドボードの裏面を剥がして金具(導体)を見える状態にしたものです。

2. まずこの3ルールだけ覚える(最重要)

ブレッドボードで困る原因のほとんどは、次の3つを知らないことです。

  1. 5穴まとまり:内部で金具がつながっている穴の単位
  2. 中央の切れ目(eとfの間):a〜e側とf〜j側が分断される境界
  3. 電源レール:途中で切れている種類がある(見た目は一直線でも中が切れている場合がある)
    ※記事で使っているブレッドボードは切れていない種類です。

3. ここがつながる/つながらない

ここだけ押さえると、ブレッドボードで詰まる確率が一気に下がります。

3.1 中央の溝(真ん中の切れ目)は分断

ブレッドボードには、中央に長い溝(切れ目)があります。
この溝を境に、 a~e側f~j側電気的につながっていません。

例えば、同じ番号のa~e側の5穴まとまりf~j側の5穴まとまりは、見た目は同じ列ですが別の5穴まとまりです。

よくあるミス
溝をまたぐ位置に「同じ列のつもり」でジャンパ線を刺してしまい、実はつながっていない。

この溝は、IC(足が左右に並ぶ部品)を真ん中にまたいで挿しても、左右のピンが勝手につながらないようにするためにあります。

5穴まとまり

※赤枠が「5穴まとまり」です。番号1のa~eとf~jは電気的につながっていない。

3.2 真ん中のエリアは「同じ列(同じグループ)」だけつながる

真ん中のエリアの穴は、5穴まとまりの単位でだけつながっています。
(多くのブレッドボードは、片側で5穴が1グループになっています)
つまり、

  • 同じ5穴まとまり内 → つながる
  • 別の5穴まとまりとまたがる → つながらない

これが分かっていないと「見た目では近いのに電気的に断線」が起きます。

5穴まとまりの単位

※色で囲っている単位の中だけつながっている。

3.3 電源レール(+/−の長い列)は“途中で切れていることがある”

端にある電源レール(+/−が書かれている長い列)は便利ですが、ここが落とし穴です。
ブレッドボードの種類によっては、電源レールが 途中で分断されていて、

  • 上半分と下半分がつながっていない
  • 途中で切れている

ということがあります。

症状
片側のエリアでは動くのに、別の場所へ配線を伸ばすと急に動かない。
対策

  • 分断されている前提で考える
  • 必要ならジャンパ線で 電源レール同士をつなぐ

4. 「つかない」原因の定番(症状 → 原因)

ここは “実験で困りやすい” のまとめです。

4.1 LEDがつかない(最頻出)

原因の多くはこれです。

  • LEDの足が 同じ5穴まとまりに挿さっている(=LEDの両足が同じ場所になり、片足がGND側につながっていない)
  • 抵抗とLEDが つながっていない(挿す場所がズレている)
  • GNDへ戻る経路がない(GNDが刺さっていない/別レール)

対策(まずこれだけ)

  • LEDの足は 中央の溝をまたぐ か、別の5穴まとまりに分ける
  • 抵抗→LED→GND が “物理的につながっている”形になっているか確認

4.2 たまにつく/触るとつく/不安定

  • 配線(ジャンパ線)の挿し込みが浅い(奥まで挿していない)
  • リード線が細くて接触が甘い
  • ブレッドボードが安物で接点が弱い(よくある)

対策

  • 一度全部抜いて、挿し直す
  • ジャンパ線は短め・硬めのものにする

4.3 抵抗を入れたのに意味がない(危険)

  • 抵抗とLEDがつながっていない(別の5穴まとまりに挿していて、電流が抵抗を通っていない)
  • 抵抗が短絡されていて、電流制限できていない(直列になっていない)

対策

  • 「抵抗→LED」がつながっている形になっているかを確認する
  • 直列は「一本道」になっているか?を意識する

4.4 電源が熱い/焦げ臭い(即停止)

  • 電源レールで+と−を近くで挿してショート
  • 配線(ジャンパ線)で+と−をつないでしまった

対策

  • すぐ電源OFF
  • まず電源レール周り(+/−)の配線を疑う

5. 実験で使う“安全な基本形”(配線の型)

フェーズ1の実験(外付けLED)では、これを基本形にすると迷いません。

  1. 電源(Vcc)を電源レール(+)へ
  2. GNDを電源レール(−)へ
  3. (信号ピン)→ 抵抗 → LED → GND の順で “一本道” を作る

ポイントは、「信号線が出たら、最後は必ずGNDに戻る」です。
(回路は“行って帰る”)

6. つかないときのチェックリスト(最短)

  1. LEDの足が同じ5穴まとまりに挿していないか?
  2. 抵抗とLEDがつながっている形になっているか?
  3. GNDに戻る線があるか?(別レールになってないか?)
  4. 電源レールは途中で切れていないか?
  5. 挿し込みが浅くないか?(一度抜いて挿し直す)

まとめ

  • ブレッドボードは 内部の金具でつながり方が決まっている
  • 中央の切れ目は a〜e側とf〜j側がつながらない
  • LEDが点かない原因の多くは 挿す場所の間違い。まずはチェックリストで潰す

次に読む(おすすめ順)

  • テスターの超入門(電圧測定/導通チェック):つながっているかを確かめられるようにする

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