シリーズ:基礎シリーズ(電気回路)
この記事のねらい:実験シリーズに入る前に「壊しやすい失敗」を先に潰す。
※この記事は、「実験手順」ではありません。
はじめに
電子工作の最初の失敗で一番多いのが、配線ミスによるショート(短絡) です。
ショートは、LEDが点かないどころか、電池や電源が熱くなったり、部品が壊れたりする原因になります。
この記事では、初心者が最低限知っておくべき
- ショートとは何か
- 何が危険なのか
- どうすれば防げるのか
を、できるだけやさしく説明します。
先に結論(※ここは読み飛ばしてOKです。)
- ショート=プラスとマイナスが「ほぼ直接」つながってしまうこと
- ショートすると、とても大きな電流が流れて熱くなり、壊れることがある
- 予防のコツは3つ:
- 作業中は電源を外す/切る
- 最初は「抵抗を入れる」「電流を小さく」
- 熱い・匂い・異常 → すぐ外す
1. ショート(短絡)とは?
ショート(短絡)とは、電気回路の中で
本来は部品を通るはずの電気が、ほとんど抵抗のない近道を通ってしまう状態のことです。
もっと簡単に言うと、
- プラスとマイナスが、直接つながってしてしまう
ということです。
これが起きると、電気が一気に流れやすくなります。
2. なぜショートは危険なの?
ショートすると、回路全体が「電気が流れやすい状態」になります。
その結果、想定よりずっと大きな電流が流れます。
電流が大きくなると、電池・電源・配線・部品のどこかが
- 熱を持つ
- 動作が不安定になる
- 最悪、壊れる
といった問題につながります。
※ここでは難しい式は使いません。
「電流が流れすぎると熱くなって危険」という感覚を持てばOKです。
3. ショートが起きたときの“サイン”
初心者が見逃しやすいので、先に「異常のサイン」を覚えておくと安全です。
- 電池やACアダプタが熱い(触って熱い/持ち続けられない)
- 配線や部品が熱い
- 焦げたような匂いがする
- 電源が落ちる/復帰する(保護が働く)
- マイコンがリセットする(※実験シリーズでよく出ます)
サインが出たら、まず 電源を外す。これが最優先です。
4. ショートが起きやすい典型パターン(初心者あるある)
パターン1:ブレッドボードで電源レールを勘違い
「+の列」と「−の列」を間違えたり、途中で分断されているのに気づかない、など。
パターン2:配線の線(ジャンパ線)がずれて隣に刺さる
見た目では分かりにくいのに、電気的には「別の列」につながっていることがあります。
パターン3:部品の足が曲がって接触している
抵抗やLEDの足が曲がって、意図しないところに触れることがあります。
パターン4:電源を入れたまま配線をいじる
作業中に「一瞬だけ」プラスとマイナスが触れてショートすることがあります。
※ブレッドボードの詳しい内部構造は別記事で扱います(ここでは“起きやすい”だけ覚えればOK)。
5. 予防策(初心者が最初にやるべきこと)
予防策1:配線中は電源を外す(最重要)
- 電池は外す
- スイッチがあるならOFF
- ACアダプタは抜く
これだけで事故の半分は防げます。
予防策2:最初は「電流が小さくなる構成」にする
- LEDには必ず抵抗を入れる(抵抗は“ブレーキ”)
- いきなり大電流が必要なもの(モータ・サーボ)を直結しない
予防策3:電源投入前に「一度、目で確認」
初心者向けの確認観点はこれで十分です。
- プラスとマイナスが「どこかで直接つながってないか」
- 部品を接続する向き(LEDなど)が合っているか
- 配線が1つ隣の穴に刺さっていないか
予防策4:異常が出たら「すぐ外す」
熱い・匂い・おかしい → すぐ電源を外す
原因探しは、その後で落ち着いてやればOKです。
6. 「抵抗がないと熱が出ないのでは?」への補足
初心者がよく疑問に思うポイントです。
ショートは「抵抗がゼロ」ではなく、実際には
電池の内部や配線にも、わずかな抵抗があります。
大きな電流が流れると、そのわずかな抵抗の部分で熱が出ます。
つまり、抵抗が小さくても
「電流が大きい」×「わずかな抵抗」
で熱が出てしまうことがあります。
(※ここは“感覚”が伝わればOK。計算は次回以降で扱います)
まとめ
- ショート=プラスとマイナスが“ほぼ直結”してしまうこと
- ショートすると大きな電流が流れて、熱くなったり壊れたりする
- 予防の基本は「配線中は電源を外す」「最初は電流小さめ」「異常→すぐ外す」
次に読む(おすすめ順)
- 次回:電圧・電流・抵抗の要点(言葉を整理して理解を安定させる)
- 次々回:GND(マイナスを共通にする理由)
- 実験シリーズ:RA8M2でLED点滅(具体手順・配線図・コード・ログは実験側)