「電気と電気回路とは」では、電圧とは電気を流す力であるということを説明しました。
今回は、この電圧について、よく使われる、電位、電位差や起電力について解説します。
電位と電位差
電位とは、電気的なエネルギーの「高さ」のようなものです。
水に例えると、水を吸い上げるポンプは水圧が高くなっています。
そして、蛇口を開けると水が流れ出します。
その先のホースを押さえていると、水が流れにくくなるため、押さえているところまでの水圧は高く、押されている先は、水圧は低くなっています。
これが電気回路で考えてみます。
まず、電気回路は、乾電池、スイッチ、電線、電球で構成されているとします。
スイッチを入れると回路に電流が流れます。
電球には、抵抗があるので電流が流れにくくなって、電球の前は電圧が高く、電球の後は電圧が低くなります。
このように、電気回路は、回路の場所によって、電圧が高い部分と、低い部分があります。
電気回路のどこか1点を基準(通常はGND=マイナス極(電流の戻り道))にし、その基準点から見た電圧の差を電位といいます。
また、任意の2点間の電位の差を電位差といいます。
電位と電位差は似ていますが、区別としては、電位は、基準にする点があるということです。通常はGNDになります。
そして、電位差は、GND以外の2点間の電圧の差になります。
場所により電圧が違う理由
電圧は、回路の場所によって変わることがあります。
電源のマイナス極には、電子がたくさん集められ、プラス極は、電子が不足している状態になります。
この電子の偏りが電圧のもとになります。
電流が流れると、電球や抵抗などの部品を通るたびに、電子はエネルギーを使います。
そのため、抵抗の手前では電圧が高く、抵抗の後ろでは電圧が低くなります。
このように、部品を通ることで電圧が下がる現象を 電圧降下 と呼びます。
電源が電圧を生み出す力(起電力)
電源(電池など)が内部で生み出している本来の電圧のことを起電力といいます。単位はボルト [V] を使います。
簡単にいうと、電源に何も繋がず、電流も流していないときに、プラス極とマイナス極の間に現れる電圧のことです。
例えば、乾電池の場合、単3電池などは、1.5Vと書かれていますが、これが起電力です。
まとめ
- 電圧は「電子を押す力」で、単位は V(ボルト)。
- 電位とは電気のエネルギーの“高さ”のこと。
- 電位の差(電位差)が電圧の正体。
- 電源の+は電位が高く、-は電位が低い。
- 抵抗を通ると電圧が少しずつ下がる(電圧降下)。
- 電源が電位差を作る力を起電力という。
- 電位差があるから電子が流れ、電流が生まれる。