シリーズ:基礎シリーズ(電気回路)
この記事の役割:実験シリーズに入る前に、V/A/Ω とオームの法則を“言葉として”整理する。
※この記事では「LEDのつなぎ方」は扱いません(前回の記事にリンクします)
はじめに
前回の記事では、LEDを光らせて「回路の入口」を体験しました。
今回はその続きとして、電気回路で必ず出てくる3つの言葉、
- 電圧(V)
- 電流(A)
- 抵抗(Ω)
を、短く・誤解しにくく整理します。
ここが整理できると、次の実験(評価ボードのLED点滅など)で出てくる説明が一気に読みやすくなります。
先に結論(読み飛ばしてOK)
- 電圧
[V]:電気を動かそうとする“押す力” - 電流
[A]:実際にどれくらい電気が流れているか(流れの大きさ) - 抵抗
[Ω]:電気を流れにくくする性質(流れにくさ) - オームの法則:この3つは関係していて、だいたい次の式で成り立ちます。
- 電流I
[A]を求める: I = V / R - 電圧V
[V]を求める:V = I × R - 抵抗R
[Ω]を求める:R = V / I - つまり「Vが大きいほどIは大きくなりやすい」「Rが大きいほどIは小さくなりやすい」という関係です。
- 電流I
「?」となったら、ここから下をゆっくり読めばOKです。
1. 電圧[V]とは(どこにある?)
電圧は、電気を動かそうとする“押す力”のようなものです。
乾電池で言えば「1.5V」や「3V」の V(ボルト) が電圧です。
ここで初心者が混乱しやすいポイントがあります。
電圧は「2か所の電気の差」
電圧は「回路のどこか1点の値」というより、2点間の差です。
例えば乾電池は、プラス(+)とマイナス(−)の間に 1.5Vの差があります。
抵抗やLEDも同じで、部品の左右(2点)の間に電圧の差ができます。
だから電圧は、テスターでも 2か所に当てて測ります(赤と黒の2本)。
2. 電流[A]とは(どこを流れる?)
電流は、実際にどれくらい電気が流れているか(流れの大きさ)です。
単位は A(アンペア) です。
電流は「回路の線の中を流れる」
電流は、回路がつながっているときに、導線や部品の中を流れます。
導線や部品がつながっていない(途中で切れている)と、電流は流れません。
3. 抵抗[Ω]とは(何をしている?)
抵抗は、電気を流れにくくする性質(流れにくさ)です。
単位は Ω(オーム) です。
抵抗が大きいほど電気は流れにくくなり、
抵抗が小さいほど電気は流れやすくなります。
ここでのポイントは1つだけ。
抵抗は「電流を調整するために使える」 ということです。
4. 3つの関係:オームの法則(入口)
電圧・電流・抵抗の関係を、まず日本語で言うとこうです。
- 電圧が高いほど、電流は大きくなりやすい
- 抵抗が大きいほど、電流は小さくなりやすい
これを式にすると、オームの法則の基本形になります。
I = V / R
(電流Iは、電圧Vを抵抗Rで割ったもの)※最初は「暗記」より、「関係の向き」が大事です。
5. 1回だけ計算してみる(ざっくりでOK)
例:電圧が 3V、抵抗が 300Ω だとします。
このとき電流は、
I = V / R = 3 / 300 = 0.01A0.01A は 10mA(ミリアンペア)です。
入門では「mA」がよく出ます。
1000mA = 1A なので、0.01A = 10mA という変換だけ覚えると便利です。
6. よくある誤解(ここが一番大事)
誤解1:電圧があるなら、必ず電流が流れる
→ 流れません。 回路がつながっていないと電流は0Aです。
誤解2:電源が5Vなら、電流も自動的に決まる
→ 電流(A)は、電源だけで決まるのではなく、つないだ回路(抵抗など)で決まります。
同じ5Vでも、回路が違えば流れる電流は大きく変わります。
誤解3:抵抗を大きくすれば“電気を止められる(消せる)
→ 消すというより、電気の流れを調整する部品です。
抵抗を大きくすると電流は小さくなりますが、「止める」ではなく「調整する」と覚えると混乱しません。
誤解5:電流はどこかで増えたり減ったりする
→ まずは「1本の道(直列の1ルート)なら、同じだけ流れる」と考えると良いです。
(分岐がある話は、別記事で扱います)
まとめ
- 電圧
[V]:電気を動かそうとする押す力(部品の両端の差で考える) - 電流
[A]:どれくらい流れているか - 抵抗
[Ω]:流れにくさ(電流を調整できる) - オームの法則:I = V / R(電圧が上がると流れやすい、抵抗が上がると流れにくい)
次に読む(おすすめ順)
- 次回:GNDとは(マイナスを共通にする理由/基準点)
- 実験シリーズ:評価ボードのLED点滅(GPIO)
- (必要になったら)分圧・分流、直列/並列、テスターの使い方